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【本編】
9


私「フリーランスは
信用第一なのに
独立、頑張ってね」

屈辱で肩を震わせる夫を
しっかり見届けてから
私は夫の会社へ

MTGの後、仕事は問題なく
正式に契約を結ぶ

会社から出るとすでに
夫はいなくなっていた

保育園に戻り娘を回収して
家に戻っても夫の姿はない

私(まあ、帰ってこれないよね
ってことは、今ホテル……
計算通りね)

――ホテル・レストラン――

夫(ひどい目にあった……)

あの後、放心状態で
気づけばホテルに戻ってて
ミサキはとっても怒っていた

ミサキ「せっかく2人で来たのに
おいてくなんてひどいっ」

夫「ごめん、急用でさ…!」

夫(やばい、あの写真から見て
クミってミサキのこと知ってるよな
当然住所だって知ってたら
慰謝料とか請求されるんじゃ…!)

ダラダラとまた青ざめる俺を見て
ミサキはころっと笑顔になる

ミサキ「冗談冗談~
そんなに怒ってないよっ
その間エステ受けてたし♡」

ミサキ「その支払いで
許してあげるねっ♡」

夫「ははは……」

ぎゅっと抱き着かれて
少しだけホッとする

ミサキ「レストランは
ドレスコードあるみたいだから
しっかりおめかししないとね」

夫(そうだよ……
せっかくホテルに来てるんだし
別に今言わなくても……)

最悪なことがあったんだ
今日くらい忘れたい

夫(いずれわかることだから)
と自分を納得させて
スーツに着替えてレストランへ

並んでミサキに腕を組まれて
案内を待ちながら
頭の片隅で現実について考える

夫(会社にバレたけど…
育休言ってなかったことくらい
大したことじゃないよな?
別にミスしたわけじゃないし…)

夫(俺の浮気を告発したとしても
元々ミサキは会社に無関係
別に怒られるようなことはない
俺が育休中に育児しなかった
としても、証明できないなら
何の問題もない……)

なんだ大丈夫じゃないか?
独立しなくても会社を
辞めなければいいだけの話で
今までと何も変わらない

そうホッとした瞬間、後ろから
久しい声で名前が呼ばれた

夫母「ヨウタ?」


夫「えっ?」

振り返るとそこにいたのは
ドレスコードに合わせ正装した
母と父、そして妹だった

夫「母さん……父さん
妹……なんでここに……」
夫母「私たちはクミさんに
ディナーチケットをもらって…」

夫(クミが⁉)

驚く俺より母が凝視しているのは
ミサキと組まれた俺の腕だ

夫母「アンタ……!
その子とどういう関係なの…⁉」
夫妹「もしかして浮気…?」
夫父「どういうことだヨウタ」

家族が不穏な声を上げ
前後の客までが俺たちの方を
いぶかしげに見てざわつく

私「お久しぶりです
お義父様、お義母様、義妹ちゃん」

肯定も否定もする前にどこかで
聞いたような子どもの声、そして
もう聞きたくない妻の声がした

私「夫は不倫しています」

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