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【本編】
7


私「育休取ってたなんて
知らなかった……
毎日仕事に行ってる
と思ったのに……
今までどこに行ってたの?」

まぁ……とほほに手を当て
小首をかしげる私と
青ざめる夫に挟まれ
同僚もどういうことかと
夫の顔をちらっと見る

同僚「佐倉……?」


私「そうださっき夫から
今日のMTGは中止って
聞いたんですけど……」

同僚「え?いや
普通にありますけど…
だから俺もここで待って……
佐倉、どういうこと……?」

夫「あ……違うんだ…俺は」

ダラダラと背中に汗が伝う

同僚「あー……
とりあえずウチのオフィスに
場所を移しましょうか?」


空気の重さを感じたのか
他の会社も行き交うエレベーター
ホールで邪魔になっている視線を
感じた同僚はいらない気を利かせる

夫「絶対ダメだ!!」

その気はなかったの大きな声が出てその場はシーンと静まり返った

夫「あ、いや、その……!」

同僚「佐倉……お前
どうしたんだよ……」

夫(大丈夫だ……
まだ何とでも言い逃れできる)

そう言い聞かせてすぐに
導き出してほしくない答えが
俺じゃなく妻から飛び出した

私「育休をとってたこと
私に知られたくないのよね」

同僚・夫「え?」

私「会社にも育休中に
育児ひとつせずに
過ごしてたこと知られたら
さすがにバツが悪いだろうし」

夫(なんで知って……っ)

心の声が顔に出ていたのか
妻は俺を見てにんまりする

私「全部知ってるよ?
あなたがなにしてたか」

夫「は……っ?」

夫(全部って…え?どこまで?)

混乱する間もなく
妻は同僚に向き直る

私「夫の育児休暇で
ご迷惑をおかけしてすみません」

同僚「え……いえ……とりあえず
上司に報告はしますが……」

ちらりと俺を見る同僚に
軽蔑の色が浮かぶ

私「安心してください
夫の育児休暇は終わります
私と離婚しますので」

夫「⁉ 何言ってんだ…⁉
育児休暇は確かに
言わなかったことは謝るけど
別に離婚するほどのことじゃ…」

夫(こんな形で離婚されたら
会社にも業界にも
悪い評判が広まるだろ!)

私「これ見て?」

すっと妻が鞄から取り出した封筒を
俺にだけわかるように見せてくる

覗き込むとそこには
俺とミサキがマンションを
出入りしているところ
街でキスしている
ところなどが映っていた

夫「……!」

私「言ったでしょ?
全部知ってるって」


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