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【本編】
10


ミサキ「えっ……誰……
キモいんですけど……」

顔に汗をかき
明らかに青ざめてる夫と反して
ミサキはまだ状況を
掴めていないようだったが
私を軽蔑の目で睨む

ミサキ「とにかくさっき写真
撮ってましたよね⁉
すぐに消してください!」

夫「ミサキ、ちょっと待てっ…」

『ミサキ』と言う名前を
ハッキリと口にした夫に
わかりやすくピクリと
眉を寄せて夫を睨む

私「へぇ……その子
『ミサキ』って言うんだ?」

夫「……!」

ミサキ「ヨウタさん
の知り合いなの…?」

不安げな目で見あげられ
ミサキにこれ以上黙って
られなくなったのか
それとも状況を打破する突破作を
練っているのか

夫は仕方なさそうに口を開けた

夫「俺の妻」

ミサキ「え?」

私「はじめまして
佐倉ヨウタの妻です」

私「今日仕事だったわよね?
なんでこんなところにいるの?」

こんな状況で言い逃れ
できるわけない

そう思っていたのが
間違いだと気づくのが遅かった

フッと口角をあげて夫は
一瞬だけ私を嘲笑い
ミサキに何食わぬ顔で笑顔を見せる

夫「いやーごめんね
うちの妻ちょっと
おかしなとこあってさ」

私「えっ」

夫「困るなぁ
取引先の人に失礼な事されちゃ」

はーっと夫はまるで
私が異常かのようにふるまう

私「何言って……」

夫「このマンションの一室が
クライアントの事務所なんだよ
って言うかお前
心春はどうしたんだ?」


私「!」

夫はミサキに
「もう行っていいよ」と促し
先にマンションへと入らせる

私「ちょっとまだ話は……っ」

駆け寄ろうにも夫が
私の手を掴んで動けない

夫「俺のクライアントと
何を話すんだよ
営業妨害もたいがいにしてくれ」

夫「それに質問に答えてないぞ
心春はどうしたんだ
まさか家に置いて来たんじゃ
ないだろうな?」

私「~~っそんなことしない
一時保育に預けてるだけ」

手を振り払って
夫から距離を取ると
夫は目を大きくして
私を非難し始める

夫「え?まさかと思うけど
保育園に頼ってるの?」


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