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【本編】
5

窓際のテーブル席で
夫はミサキという名前の女と
向き合ってPCを開いていた

夫「どれどれ?」
ミサキが座るソファ席の
空いてる部分によいしょ座り
ミサキのPCを覗き込む

バレないように私は下を向き
一層深く帽子をかぶった

私(本当にいる……!)

 
夫「あーここレイヤーが違うな
直せば大丈夫だから」

ミサキ「あーっそか。わかった
ありがと~ほんと助かる」

夫「その分お金貰ってるから
いくらでもきいて」

ミサキ「って格安のくせに~!」

私(……?)
距離こそ近いものの会話は私の
想定していたものと違う気がする


夫「この雑貨カフェの
HPいい仕上がりだな」

ミサキ「でしょ?
お客さんにも喜ばれちゃって
ポートフォリオにも載せて
いいってOKもらっちゃた」

私(もしかして
仕事関係の人……?)

夫も私と同じWEBデザイナーで
PC1つでどこでも仕事はできる


雑貨カフェのHP制作と聞こえたし
もしかしてあの子は後輩で
外で気分転換に打合せを
しているのかもしれない

私(いやでも……それにしては
ため口すぎるっていうか……)

どちらにせよ育休中の
疑惑は取れない……
そう思った時だ

ミサキ「よしっお仕事終わり~
ここのブランチ
楽しみにしてきたんだよね~」

ミサキはノートPCを閉じ
ドリンクしか注文してなかった
ようでメニューを勢いよく開いた

夫「やっと飯食えるな
何でも好きなの食っていーぞ」

ミサキ「やった~!
っていうかそんなにミサキに
お金と時間使って
奥さんに怒られない?
そろそろバレちゃった
んじゃない?」


夫「ははっないない
アイツ子どもの世話で
手一杯みたいだから
俺が育休取ってるのにも
全然気づいてないよ」

私(……!!)

ミサキ「パパひどーい
赤ちゃん可愛くないの?」

夫「んー俺も最初は
可愛いって思ったけど
今はただうるさいだけかな」


夫「結婚してすぐ
子どもできてさ。それから
ずっとカリカリしてるし
ミサキの方がよっぽど可愛いよ」

ミサキ「え~ありがと♡
私もヨウタさんに会えて
家近いしマジでついてるけど
おかげでWEBデザイナーとして
フリーランスになれたし
自由に働けるの最高~」

夫「こらまだまだ油断するなー?
まあ俺も講師の副業はじめた
おかげでいろいろ稼げてるしな」

夫「今のうちに育休で金貰って
独立してそのまま
仕事辞めちゃってもいいかも」

ミサキ「え~だったら
ミサキと会社のコネ作ってよ!
もっと固定収入欲しいもん!」

夫「そのうちな~」

あははと笑い声が聞こえる現実に
ミサキの甘い声が耳をかすめた

ミサキ「今日もウチ
来るんだよね?」


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