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私「やだ!絶対やめて!」
夫「いやもうミサキだ
ミサキちゃーん
ほら嬉しそうにしてる」
心の中でも外でもずっと
心春ちゃんと呼んでいたのに
どうしていきなり
『ミサキ』になるのか
しかも産まれた次の日に
ゆっくりやってくる夫に
絶対に変えられたくない
私「返して!!!」
大声をあげたからか
カーテンの外から
患者さんとお見舞いに来ている
人が不審がる声が聞こえる
夫「おい、静かにしろよ……っ」
たじろぐ夫から
私は出生届をひっぱりとった
私「絶対名前は
変えさせないから!」
すぐに「どうしましたか」と
助産師さんが来てくれて
私はふらっと血の気が抜ける
助産師「クミさん⁉
大丈夫ですか⁉」
夫「……っ!」
私「だ、大丈夫です……」
助産師さんは顔色の悪い私を
横にして血圧や脈を図る
助産師「病院内では
どうかお静かにお願いします
出産されたばかりの奥様の
刺激するようなことも
避けてください……!」
夫「お、おれは別に……」
夫が言い訳しながら
弱弱しく握った私の手から
出生届を取ろうとする
私「あのっ……」
取られないようにきゅっと握り
私は助産師さんに助けを求めた
私「出生届、夫には
絶対に渡さないでください
お願いします」
夫「なっ……!!
俺だって父親だぞ⁉」
縋る私に、怒鳴りつける夫に
腹が立って仕方がなくて
私は夫を睨みつける
私「出産にも立ち会わないで
偉そうに父親面しないでよ…」
さすがに言い返せなかったのか
夫はぐっとこらえてから
開き直るようにこう言った
夫「わかった!
俺は父親じゃないなら
お前が1人で育てろよ!」
私「えっ……?」
夫「せっかくいい名前に
してやろうと思ったのに!
いいか⁉お前が俺を
そうさせたんだからな!」
夫「俺は一切育児しない
お前が名前を
付けさせなかったせでな」
私「なっ……」
余りの理不尽さにあっけに
とられているうちに
夫は怒って帰ってしまう
私(何を勝手なこと
ばかり……!)
その後、夫は言葉の通り
退院の日にもやってこず
実家に1ヶ月里帰りしても
一度も娘の顔を見に来なかった
ようやく娘と一緒に家に戻っても
夫はただ娘を一瞥するだけ
私「ただいま……」
夫「はぁー……おかえり」
私(会いに来なかった
あなたに期待なんかしないけど
娘が可愛いと思わないの…?)
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