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シーズン１はこちら「単身赴任中の夫の家から赤ちゃんの声がした話」
シーズン２「浮気相手にプロポーズする経営者の夫」
【前回のお話はこちら】
【本編】
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※妻・クミ目線で進みます※
離婚から数ヶ月
ダイキからの500万は
弁護士の介入もあり無事に
振り込まれていた
最初お金があるわけではない
ダイキからは分割で毎月支払い
だったが、しばらくして
一括で残金が振り込まれた
クミ（もしかして
お義母さんかな……）
連絡はないが私の中では
そうなんじゃないかと思ってる
あのお義母さんなら
ダイキからもきっちり
残金を回収するだろう
私はというと変わらず
今の職場で働いている
ダイキと同じ会社の
社員Cさんによると
ダイキは地方に
左遷になったらしい
だが、しばらくして
セクハラで訴えられたらしく
人事異動にて、懲戒解雇が
知らされたと言っていた
社員C「狭いコミュニティだから
そうなるだろうと
思ってました」
という社員Cさんの
言葉には思わず深く
相槌をうってしまった
慰謝料完済までの間
何度か弁護士経由で
連絡が来たらしいが
全部シャットアウトして
くださいと伝えていた
クミ（どうせまた自分の都合の
いいように解釈して
迷惑かけてくるだけだもんね）
かつてダイキと結婚していた頃の
自分が今となっては黒歴史すぎて
闇に葬り去りたい
1人暮らしの部屋に引っ越し
それなりに慣れてきたころ
母の形見だった着物を
ようやく少しずつ修復することを
考え始めることができた
もう二度と着られないと
諦めていたけれど
「裂けても、変わっても
また新しい命に
できるのが布なんです」
という言葉に希望をもらい
専門家に相談している
クミ（どうやって
形に残そうかな）
そう考えるのは自由で
考えている時間が増えるほど
母の形見の着物をまた
大事にでき始めてる気がした
クミ（奪われた着物が
やっと帰ってきたみたい）
またいつか、きっと生まれ変わる母との思い出を鮮やかに
思い出させてくれる物へ
完
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