※主人公クミ目線に戻り進みます※

クミ「え……なにが？」

職場だというのに真っ先に
浮かんだのは
仕事上のミスではなく
ダイキの顔だった

同僚「取引先の三坂さん…
（ダイキの苗字です）
クミの旦那さんだったよね？」

同僚「なんでもいろんな
会社の人に
クミに『金を巻き上げられて
離婚されそうになってる』って
言いふらしてるらしいよ」

クミ「え⁉」

同僚「誤解があると思うから
色々訂正して濁しておいたけど
……大丈夫？」

クミ「う、うん……」

クミ（ダイキ……なにしてるんだろう）

先日もダイキの会社の社員Cさんから
変にダイキのことを聞かれたばかりだ

クミ（私は何も悪いことしてない……大丈夫）

ちょうど、社員ＣさんとのMTGがあり、
顔を合わせると気まずそうな空気が漂った。

クミ（これは……もしかして）

一通り仕事の話を終えた後、
現状を知るためにも話しかけてみる。

クミ「あの……そちらに夫の三坂が
働いているんですが、何かご迷惑をかけていませんでしょうか？」

通常なら呆れられるような質問だがーー。


社員Ｃ「あー…いえ
三坂さん（クミ）こそ
大変ですね……なんというか
…ほんと……ええ」

クミ（同僚の言った通り…
っていうかそれよりも
ひどいんじゃ……）

クミ「あの……詳しい話
聞かせていただけますか？」


※ダイキ目線で進みます※

ダイキ「ほーんと俺の
奥さんひどくてさー
せっかく頼んだハウスキーパー
と浮気してるとか騒いで
怒って出て行ったんだぜ？」

社員A「……そうなんですか」

ダイキ「俺は奥さんが心配で
心配で仕方がなかったのに…
その間家事も手がつかなくてさ」


社員A「入院って嘘ですよね？」

ダイキ「いやだから～
入院してたのは俺の母さんなの！

その間、俺が掃除できないから
もっと綺麗にしてやろうと
思っただけなのにひどくね？

離婚したいのもアイツが
勝手に言い出したことで
自分に有利にしたいからって
社員Ｃちゃんに嘘までついてさ」

ダイキ「なっ？ひどくね～？」

今日は部長もいない

昨日から散々知り合いに
たくさん相談しておいたおかげで
今ごろクミの職場にも
悪評が届いてるころだろう

ダイキ（職場で今ごろ居ずらい
思いしてんだろーなw

仕事やめたりしてw
そしたら強気になれねーだろ
あっちが謝ってくるなら
俺が面倒見てやってもいいけど？）