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【本編】
10

キョウカ「………は?」

キョウカ母「この子は私が
責任を持って育ててく」

キョウカ「なにいってんの
そんなこと言ってるんじゃないし」

キョウカ母「『子育てが辛いから
ちょっとくらい遊ばせて』って
1年であなた、何回言った?」


キョウカ「そんなの知らな…」

キョウカ母「数えきれないわよ」

母が娘の頭を抱きしめると
娘はぎゅっと母に抱き着いた

キョウカ母「リョウさんと
会ってた時だけじゃない
それ以外にもたくさん…
私も最初は結婚生活が
辛かったんだろうと思って
あなたを支えるつもりだった
でもね」

キョウカ母「だんだん
私が預かるのが普通になった」

キョウカ「それは私にだって
付き合いがあるから…!」

キョウカ母「じゃあ、
いつこの子と向き合うの⁉

住んでいた家も変わって
パパにも会えなかったこの子が
どれだけ寂しかったか
わからないの?」


キョウカ「……でも…」

私は一度も娘を叱ってない

それなのに小さく黙って
固まる娘は私に
怒られてるみたいだった

キョウカ「私だって
大変だったんだもん
ストレスだってすごくて…!
子どもと離れてたのも
子どもを守るためでっ…!」


キョウカ母「もう甘えるのは
やめなさいって言ってるの!」

キョウカ「!」

キョウカ母「…頭を
冷やしてきなさい」

キョウカ「いや…!連れて帰る」

キョウカ母「もう今の
キョウカには任せられない」

私こそもう預けない
帰ろうと娘に手を伸ばすと
娘はさっと私のことを避けた

娘「おばあちゃんちにいる
まま、おでかけしてきていいよ」

キョウカ「……!」

キョウカ母「この子のことは
心配しなくていいから」

キョウカ「………」

うまくいってたのに
どうしてこうなるの?

リョウが奥さんに
バレそうになったから
ちょうどいい機会だから
別れて再婚するはずだった

慰謝料なんて請求できる証拠も
なにもなかったはずなのに

養育費の振り込みが
なくなるのは痛いけど
リョウがこれからは
稼いでくれるし
お母さんに子どもを見てもらえば
私だって今よりいい仕事につけるはずだった

キョウカ「それなのに…
それなのにこんな
大金払ったら……!」

1人きりの部屋に戻り
悔しさで周りにあるものを投げ
内容証明の紙を握りしめた

いつの間にか眠ってしまい
合鍵を使って入ってきたのは
母じゃなくリョウだった

リョウ(クミの夫)
「キョウカ……!
俺たち、DNA鑑定しよう…!」


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