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【本編】
1

義母「キョウカさん…」

義母が出てきた
女性の名前を呼ぶ

私(この人が……)

黒髪のストレートロングに
前髪を真ん中で分けていて
おでこが綺麗に見える
少し吊り目で気が強そうな
女性は私を見て不敵に笑う

キョウカ「そちらが
リョウの奥さまですか?」

キョウカ「いつも
お世話になってます」

イメージと正反対の
柔らかそうな物腰に調子が狂う

キョウカの後ろから
荷物を持って夫が出てきた

夫「キョウカ無理しないで」

キョウカ「そんなわざわざ
ここまで来ていただいたのに
挨拶もしないのはダメよ」

夫「……でも」

見たことないくらい夫は優しく
妻である私の前で
キョウカのことを気遣ってる

夫はともかく…彼女は
どういつもりなの?

義母も、義父も、私も
その様子に絶句していた

キョウカ「私のせいで大変
ご迷惑をおかけして
しまったようで」

私「ご迷惑…とは?」

キョウカ「体調を崩してリョウに看病してもらったので」

気恥ずかしそうに
申し訳なさそうに聞こえるのに
マウントを取られてる気が
するのはどうしてだろう

キョウカ「よくないとは
思ったんですけど…
とても1人で生活できる
状態じゃなくて…」


キョウカ「頼れる人が誰も
いなかったとはいえ
旦那さんに相談して
しまったのは
軽率だったと思っています

でも、本当に助けていただいて
どうもありがとうございました」

私「………」

『だからなにもなかったからね』
この女はそう言いたいのだろうか


キョウカ「一度は家族になると
約束した仲でしょうか

気心が知れてますので
ついつい甘えてしまって…

今後このようなことは
ないように気をつけますので」

ぺこりと頭を下げると
髪も綺麗に彼女の肩にかかる

義母「約束したといって
それは過去の話でしょう?」

義母「体調が悪かったことを
責めるつもりはないけれど…
あなたは大人でしょう?

少しでも勘違い
させると自分でも思うなら
リョウに声をかける
べきじゃなかったと思うわ」

義母がなだめるように正論を
言うとキョウカが悲しそうな
ニュアンスで謝ってきた

キョウカ「すみません…」

キョウカ「でもそれは
奥様も同じではないですか?」

私「…?なにがですか…?」

キョウカ「リョウは私の
看病をしてくれてただけなのに
浮気扱いして慰謝料だなんて
いくらなんでも大げさすぎです

奥様は大人ですしお義母さんや
ご実家にも頼ることが
できたでしょう?
それを子どもがいるかいないかの
違いで私と比べるのはちょっと
ひどすぎません?」


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