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【本編】
4


翌日、私は息子を
実家に預けて義母と共に
オートロックもない3階建て
マンションの前にいた
すぐ近くの駐車場は年明け
だからかほとんど開いてなくて
1台の車が入れる場所を探してる

私「ここですか？」

義母「ええ…昨日
ここに送ってっ言われたから
間違いないわ」

私「一緒に来てくれて
ありがとうございます」

義母「うちの子が悪いし…
私のせいでもあると思うから」

私「お義父さんは…その
大丈夫なんですか？」

義母「ああ平気よ
あの人も大人だし」

私に気を使わせないにしても
義母の言い方は
随分気楽に聞こえた

私（2日もお泊りOKだったし…
もしかしてお義父さんって…）

義母「ちょっと早いけど
じゃあ行きましょうか」

私を現実に引き戻した義母は
率先してインタホーンを押した

家の中にいるかわからない
彼女が体調不良は嘘で
2人で出かけている
かもしれない

私（つまり……ここにいる）

夫「はい？」

義母「私よ。近くに来たから
頼まれたもの持ってきたわ」

なんの戸惑いもなく夫は
ドアを勢いよく開く

夫「ちょーーーもういちいち
持ってこなくていいからさぁ」

義母、そして次に私を見て
とても鬱陶しそうな顔をする

私「ここが元婚約者の家？」

夫「は？なにいきなり…」

夫「母さん！なんで
連れてきてんの⁉」

義母「あなたが一方的に
クミさんに離婚を
突き付けたって聞いたから
話し合いをしようと思って」

見たことのない顔で強く話す
義母に夫は呆れたような声を出す

夫「いや……
余計なことしないでよ
じゃあ、離婚届
持ってきてくれたのも嘘？」

私「嘘じゃないよ
ちゃんと書いてる」

私はすっと離婚届が入ってる
茶色い封筒を取り出す

私「でもただじゃ離婚しない

ヒロを育てる養育費も
浮気してるなら慰謝料も

あなたにはしっかり
払ってもらいたい」

夫は数秒の沈黙のあと
夫はドアにもたれかかって
鼻でフッと私を笑った

夫「バカじゃねえの？
俺は浮気なんてしてません

ヒロの養育費はお前が
好き勝手育てたんだから
一切払いません

それで話終わってんの

母さんもさあ、クミになんて
唆されたか知らないけど」

夫「父さんの休み中に
こんな遊んでたらいろいろ
言われるんじゃないの？大丈夫？
怒られない？俺が庇えないんだし
もう親戚でもなんでもなくなる
クミたちにそんな時間
使わなくていーって」

ニマニマ笑う夫を見た義母は
戦慄が走ったような
ショックを受ける

義母「リョウ……？
あなた何を勘違いしているの
お父さんは家族のために動く私を
怒るような人じゃないわよ？」


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