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【本編】
1

夫「もうお前とは
やっていけなくなった
まあ、お前も前から
そう思ってんだろ?
態度やべーもんな」

外泊し続けて悪びれもない夫
そして目の前に置かれた離婚届
にめまいがした

私(なにを……)

夫「ヒロも4月から
小学校だしちょうどいいだろ」

夫「入学して苗字変わったら
離婚しましたってバレバレで
アイツも可哀そうだしさ」

私(言ってるの…?)

昨日眠れなかった理由た
ようやくわかった
ショックだったんだ
育児家事に無関心で横暴でも
子供にとっては父親で
多少耐え続ければ
何とかなると思ってきたのは
少しでも夫が変わって
くれたらと信じていたから





期待をいつも裏切られるのに
今度こそわかってくれるんじゃ
普通ならわかってくれるんじゃ
を繰り返してばかりいた

なんてバカだったんだろう

私は私、夫は夫
考え方が根本から違うのに
自分の概念で考えていた
気づくのがこんなにも遅い

私(この人はペラペラの紙
一枚で…なにもかも勝手に
終わらせようとしてるのに)

夫「おーーーい
聞こえてんのか―?」

顔の前でわざとらしく夫が
手をひらひらとさせてくる

夫「熱で頭湧いたのか?
黙ってないでさっさと
サインしろよ」

私「……ヒロはどうするの」

夫「ヒロ?あーーー俺が
育ててやりたいけど
もうあれじゃ無理だろ」


夫「お前が育ててろよ
っていうか自分で産んだ
子どもの育児放棄する気か?」

あーあー怖い怖いと
夫は身体を身震いさせる

私「そんなこと
一言も言ってない!
そっちこそ父親のくせに…!」

夫「お前がそうさせたんじゃん
俺のやることなすこと
いちゃもんつけてきてさあ」


夫「帰ってきたら片付けしろとか
風呂上りに放置するなとか
過保護すぎだろ
俺じゃなくて子どもに
やらせないと覚えないのに
お前はなんでも先々して…

おかげでヒロはあんな
熱で休むような
甘えた男になってんだぞ?」

意味がわからなくてぞっとした
5歳の子どもが
インフルエンザだったのに
休むことが甘えと言うのか

夫「お前がどっぷり
甘やかした子どもを
はい、育てろ!って無理すぎ

ちゃんと教育してくれれば
考えたけどな
おめでとう
親権はおまえだ」

拍手してニコニコする夫に
怒りが止まらない

私「最初から
渡す気なんてないわよ…!」

私「元婚約者とずっと
一緒にいたんでしょう…⁉
さっきから悪びれもせず
なんなの一体!別れるなら
慰謝料もヒロの養育費だって
もらってからじゃないと
私は別れてやらないから…!」

言い切ったと同時に
頬にツンとした衝撃が走る
痛く熱い頬を私が触る前に
夫が私の胸倉をつかんだ

夫「お前に拒否権
とかないけど?」


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