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【本編】
10



夫「まあ、確かに順番は
違ったから不安にさせたし
世間一般じゃ怒られること
かもしれないですけど…

何事にもケースバイケースってあるじゃないですか?」

私「……なに?」

夫とこれ以上一緒にいたくない
離婚は私にとって
当たり前の選択肢だった


なのにさも自分から出した
条件のように得意げに話す
夫の意味がわからない

父「何言ってんだ⁉
結婚したんだから浮気しないのは当たり前だろうが!」

夫「待ってくださいよ
お義父さん、だって僕は普通に
いい夫でしたよ!
変わったとすれば途中から…
ほら、わかるでしょう?」

夫「愛する妻との子どもが
できないかもって
いきなり言われたんですよ

男ならだれでも 
戸惑って当然でしょう」

ねっ?と頷かせようとする夫に
父はイライラしていた

父「お前と一緒にするな!」

夫「お義父さんはそういう
立場になったことないですし」



夫「きっと経験した人にしか
わからないことなんで」

私「それで、何が言いたいの」

夫「だ、か、らぁ!
俺が浮気して次の新しい
奥さん候補探すくらいの
猶予があってもいいってこと」

父「はあああ⁉」

夫「ちょっ!やめて
近づかないでくださいよ!」

父からすかさず離れて
夫は距離を取った

夫「クミは自分のことだけ
可哀そうみたいに伝えてるけど
それくらい俺もゆるくされても
いいじゃんって話だから!

別に俺は離婚したくないって
言ってるわけじゃないんで
そこ勘違いしないでください」

私に念押しつつ、父に
怒られないようにと注意する

父「おまっ……!」

私「お父さんいいよ
もう帰ろう」

反応してくれる父を
私はそっと止めてすたすた
廊下へ出ていこうとする

夫「あっおい、離婚届」

私「書きたかったら
いくらでも書いて?」

私「困ることは別にないから」

にっこりと笑う私を見て
父も一緒に家から出ようとする

私「来週の土曜日に
ちゃんとお義母さんたちにも
いろいろ説明したいんだけど」

夫「母さんたち?
まあ別にいいけど
実家までちゃんと来てよね」

怒られるのは私とでも言うよう夫はかすかに笑った

夫「不妊治療に前向きじゃ
なかったのはクミの方なのに
母さんたちは黙って
応援してくれてたんだ
まークミが思うようには
ならないと思うけどね」

そして次の土曜日…
義実家で行うはずだった
話し合いはなぜか私の
実家で行われていた

義父「でも子ども産めないのは
クミさんのせいですよね?」



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