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【本編】
9

夫「わあああああ!

離してくださいよ!!」


気づけば夫の襟元を

父がしっかりつかんでいる


私「お父さん、ありがとう

もういいから」


父「でも……!」


私「大丈夫、ちゃんと

私、自分で反省させる」


わめく夫の襟元を掴んでる

父の瞳をじっと見つめる


父「わかった」


するっと手を離すと夫は

大げさにゲホゲホしだした


私(別に首なんか

掴まれてもないのに……)


跡も何もついてない


夫「暴力ですよ暴力…!

必ず訴えてやりますから!」



夫は後ずさりしながら

ソファのクッションを

盾みたいに持つ


父「おまえこそな!」


大きな舌打ちをして夫を

ビビらせた父はそのまま

見張るように夫の前に座った


父「クミ、今のうちに早く」


クミ「あ、うん」


昨日夫が寝室に引きこもって

しまったので回収できなかった

隠しカメラを回収する


その他、持ち運びたい荷物を

持って父と夫のいるリビングへ


テーブルにはまだ

夫と彼女が食べていたお皿と

ワイングラスが残っていた

きっとケーキも冷蔵庫の中


私「おわったよ」


父「よし、行くか」


立ち上がった父に

見張られていた夫は

わかりやすくほっとしていた


夫「ク…クミ!

どこいくんだよ」


私「どこって実家に帰るの

もうこの家にいたくないから」


浮気相手のミサがいた部屋に

どうして私が、戻ると思うのか


夫「はっ……話

終わってないだろ……」


私「何?一晩経って

私に謝りたくなったの?」


さっきからとてもそういう

態度には見えないけど…


夫「出ていくってことは

俺と離婚したいんだろ?

俺も離婚したいから

それでいいだろ」


父「ああ⁉」


夫の言い草に父が唸る

ビクビクしながらも夫は続けた


夫「だっ、だってそうですよ

お義父さんも聞いたでしょう⁉


わざわざあんなひっかけ

みたいなことして…!


そんなことしないでも

クミが言えば俺はいつでも

離婚してあげたんですよ⁉」



夫「さっきお義父さんは

僕がただ悪いみたいに

いいましたけどね


僕もまだまだ若いんですよ

親に孫の顔を見せてやりたいし

親孝行してあげたい

だからいつでもよかったのに

クミのことを考えたらって

離婚に踏み切れなかった

だけなんですってば


クミもそれが望みだろ?

ほら!離婚するから

離婚届もらってきて」


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