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【本編】
3

ミサ「さ………最低…!
こっちもそれなりの対応
させてもらいますからね…!」

私「どうぞ。お好きに」

ばたばたと帰るミサの姿は
完璧に負け犬の遠吠えだ
今度は妹も従弟も止めない

夫「ミサちゃん…っ待って俺」

夫は追いかけるもさっきまでの
愛嬌をふるうミサは
どこにもいない

ミサ「もういいから
追いかけて来ないで
はーーーー最悪」

ツンっとドライに突き放され
ミサが出ていったと同時に
夫は床に膝から崩れ落ちる

夫「ミサちゃん……」

妹「相手に本気にも
されてないじゃん」

従弟「所詮金づる『おぢ』扱い
なんだったんじゃね」

従弟と妹の厳しい言葉が
夫の背中に突き刺さる

最初こそ驚いていたものの
ミサが本気で夫と不倫してる
わけじゃないことが
誰の目で見てもわかった

そしてそんな関係に私が
とてつもない迷惑を被り
傷つけられていたことも、だ

私(しょうもない……)

私「ケイタ」

後ろから声をかけると
夫の肩が大きく震えた

私「私に言うこと
あるでしょう」

夫「…………」

私「ケイタ!」

夫「1人にしてくれ……」

妹・従弟・私「は?」

夫「今は喋りたくない……
っていうか無理……」

すくっと立ち上がった夫は
そのまま寝室に入り
かちゃりと鍵を閉めた

妹「ケイタさん⁉」
従弟「なに隠れてるんすか!
それはないでしょう!」

妹と従弟がドアにへばりつき
ドアを叩いても夫は無反応

私(………う…そ、でしょ)

謝ることも話すことも
全部拒否して
逃げるつもりなの?

私「ケイタ…!」

ドアの前に駆け寄ると
妹と従弟がさっと
前を譲ってくれる

私「……逃げないでよ!!
出てきて謝りなさいよ
…ねえ!」

夫「何も話したくない!」

私・妹、従弟「………!」

夫の大きな声と共に
ドアがどしんと叩かれる

夫「部外者はとっとと
出ていってください!」

みんなが静まり返った

ーーーありえない
こんなこと、許されない

妹「部外者ぁ……?
じゃあ自分で話しなさいよ!
不倫がバレて引きこもり?
だっさい!!ダサすぎる!」

従弟「俺らはクミ姉を
守るためにここにいんだよ!
お前こそ出てこい!!」

夫「うるさうるさいうるさい!
大体なんでミサのこと
知ってんだよ!!
勝手にスマホ見たのか⁉
プライバシーの侵害だぞ!!」





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