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※マサユキ視点で進みます※
夫「えっ?イヤだから
ほら…サオリお金払うの
嫌がってただろ?
でも俺と結婚したいって
子どものためにも…
ちゃんとけじめをつけるために
サインしてくれたって聞いて」
だんだんサオリの表情が
困惑してるのがわかる
夫「だから俺踏み切れたんだ」
夫「俺もちゃんとしよって…
え…何その顔…?」
正しくはそうしないと
さすがに収まりがつかないと
思ったからだけど…
サオリ「私だって……
マサユキがもうサイン
したっていうから
慰謝料払うしかないって
思ったんだよ…?」
夫「え??」
褄が合わない
え…どういうことだ
クミはサオリと会ってきて
それで慰謝料の話になって…
で、俺と離婚との条件が
俺たちの慰謝料とかだったから
サオリが払うって言った手前
もう…俺も引き返せなくて…
サオリ「だってマサユキが
サインした書類見たし…!」
サインした
だけど、それはその日の夜だ
夫「ちゃんと見たのか?」
思ってることを話すと
サオリの頬はぴくぴくと痙攣し
威圧感が漂い始めた
サオリ「もしかして…
あいつ、騙したの…⁉
…許せない!!!!
やっぱりアイツ詐欺じゃん!
お金も振り込んだの
今から返してもらおうよ!」
もちろんだ!と思ったがすぐ
現実が目の前に立ちはだかる
夫「や…ダメだ…だって俺ら…
公正証書作ってるし
その時にさ……」
あれは離婚する最後の面会の日
弁護士『…これで確認事項は
以上になりますが
なにか異論はありますか?』
夫『ありません』
サオリ『ないでーす♡』
クミ『ありません』
そう…幸せそうなサオリに
クミは眉1つ動かさなかった
夫「もう…決めちゃったし
念書書いただけなら
まだ覆せたかもしれないけど
全部おそいよ………
なにも変えられないと思う」
サオリ「っっっっそんな…」
サオリ「じゃあ別にあんな
お金払わなくても
よかったんじゃん…!
そしたら新居とか子どもの
ためにお金いっぱい置いとけて
色々使えたのにっ……」
夫「俺は悪くないだろ⁉
どっちかつーとサオリが
ちゃんと確認しとけば
そんなことには…」
サオリ「はぁ⁉マサユキは連絡
拒否ってたじゃん!」
夫「だからあの時はクミが!」
サオリ「ムカつくから!
もうクミの名前出さないで!!
うーーっっう~っっっ」
妊娠中だから気が立ってるのか
サオリはすぐに泣くし叫ぶ
夫「ごめん…ごめんって」
泣きたいのはこっちの方だ
どうしてくれるんだよ
夫(俺だってサオリが
サインしてなかったら…離婚
しなかったかもしれないのに…)
そんなこと言えば
どうなるか知りたくもないんだよ
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