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※マサユキ視点で進みます※
サオリと付き合い始めて
欲しかった子どもが出来て
クミと別れて結婚する
抱えていた罪悪感も
感じなくていい
思っていた形とは違っても
それが俺の望みだったのに
夫(こんなか……?
俺……本当に幸せか)
クミ「どうしたの
嬉しくなさそうだね?」
夫「いや…クミに
悪いと思ってるから…」
ふと出た言葉は本心だった
クミに笑ってほしいという
気持ちがぼんやり浮かぶ
クミ「あ、そう
それじゃ私この家
出ていくから」
夫「えっ……今から?」
夫(もう終わりなのか?)
クミ「書類関係は
早めに終わらせるね
おっきな荷物はまた今度
取りに来るからそれじゃ」
淡々と弁護士との
スケジュールを共有されて
クミはあっという間に
どこからかまとめていた
荷物を取り出して
出ていこうとする
夫「ど、どこいくんだよ…!」
クミ「どこでもいいでしょ
もう他人になるんだから」
出て行こうとするクミは
いつもよりも綺麗に化粧
しているように見えた
夫「もしかして
男のところにでも
行くつもりか⁉
そっちこそ離婚するまでは
夫婦だってこと忘れるなよ!」
そうだ…クミが会っていた
あの男の存在を忘れていた
クミ「男なんていないよ
マサユキと一緒にしないで」
夫「じゃあホテルで会ってた
あの男は誰なんだよ!
ずっと俺が悪いみたいに
言ってたけど…
それはどう説明するの?」
クミ「あれはただの従弟だよ
お母さんに相談したら
叔母さん伝いで
協力してくれただけ」
夫「な…そうならそうで
早く言ってよ……
でも夜遅いし今日はもうさ…」
俺にばっかり悪いことがあって
クミにはないから
引き留めることもできない
クミが出て行けばもう
何もかも終わる気がした
クミ「………ねえ
さっきからなんなの?」
夫「えっ」
クミ「どうして
引き留めようとするの」
夫「いや…そんなつもりは」
あたりまえに図星をつかれる
クミ「あなたサオリと結婚
したくてしたくて
仕方がなかったんでしょ?
お義母さんたちの前でも
言ったじゃない
責任取って幸せにするって
それとも…私に許してほしいとでも思ってるの?」
夫「そうだ、そうだよ…!」
クミはわかってくれてる…!
そう思った俺は
馬鹿なんだろうか
クミ「絶対ありえないから
もう離婚届書いたんだよ?
夢みるのいい加減やめたら?」
全身から激しく拒絶されたあと
クミは笑顔に戻ってこう言った
クミ「再婚でも何でもしなよ
これからサオリと頑張ってね
パーパ♡」
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