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【本編】
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※サオリ視点で進みます※

サオリ(……書いた…?
マサユキが……?)

私に何も相談せずに
この馬鹿高い慰謝料を
払うって言ったの?

そんなの聞いてない…!

クミ「嘘じゃないよ?
私の話が信じられないなら
マサユキに直接聞けば?」

クミ「ま…でもここに
ちゃんとサイン
してもらってるけどね」

クミが勿体づけるように
少しだけ見せてくる紙には
マサユキの判子が押されてた

サオリ「どうして…!」

クミ「どうしてもなにも
法律に従っただけじゃない?」

サオリ「バカにしないでよ!
だって…!」

クミにこんな高い慰謝料を
勝手に払って離婚した後の
私との生活はどうする気なの⁉
何も考えてないとしか
思えない……!!

サオリ(払えない金額じゃないけど…払えば貯金にも
ダメージは相当来る…!
そんな心もとない状態で
子供が生まれたら…?当分は
仕事だってできなくなるのに)

「クミが」と言い訳めいて
私と会わなかった理由はコレか


サオリ「アンタがマサユキを
言いくるめたんでしょう…!

じゃないと私に相談もなしに
こんなサインするわけない!」

クミ「ひどい言われようだね
これでも早く離婚して
あげようとしてるんだから
私って優しい方だと思うよ」

サオリ「なら今すぐ書いて
離婚届出しなさいよ!」

クミ「ダーメ
いつ離婚するかは私が決めるの
知ってる?浮気したほうが
自分から離婚って
できないらしいよ?」

これも法律なんだってと
クミはクスクス笑う
くすぐるような声が憎たらしい

クミ「あのねぇサオリ…
まだわからないようだから
教えてあげるけど
こっちにはいーーっぱい
証拠があるの」

サオリ「そんなの
写真だけでしょ?」

クミ「あれだけ自分で告白したのに今さら認めないって
無駄な時間すぎるよー?
っていうかさ」

クミは嬉しそうに笑ったあと
私の鞄をそっと指さす

クミ「母子手帳に書いてたよね
父親の欄に、マサユキって」

そうだ…そういえば…
あの時しっかり見せていた

クミ「今ここで断れば
たぶんサオリには額以上の
お金がかかるしい…

払ってくれない感じで
渋るならご両親にも
連絡させてもらったり
いろいろ手間がかかるんだよね

あんまり長引くと
精神的にも辛くなるから…」


クミ「そうだ!あと100万位
高くしよっか?」

100万増える…⁉さっきの
金額ならまだしもそこまで
行くと常識の範囲外だ

サオリ「産まれてくる子どもが
かわいそうだと思わないの⁉
仕方ないことなのにお金が
発生するなんておかしいよ!」

クミ「そだね…サオリたちが
親ってことが可哀そうかな?
あ、早くサインしてくれる?
もっともっと高い金額を
書いてあげてもいーんだよ?」

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