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※サオリ視点で進みます※
サオリ「どれだけマサユキを
苦しめれば気が済むの⁉
自分の夫に監視までつけて
信じらんない!!!
ほんとに血の通った人間⁉」
頭からかぶせてやった水が
髪から顔に滴り落ちるクミは
少し驚いた顔をしたあと
目だけ私の方をギロっと見た
クミ「……とりあえず
座ったら?」
サオリ「話すことなんかない
今すぐクミが離婚するっていえば全部丸く収まる話でしょ⁉」
カバンに入れていた離婚届を
勢いよくテーブルに叩きつける
サオリ「ほら!
今ここで書いて!」
ぽたぽた離婚届に水がこぼれる
ビビッて言葉も出ないんだろう
サオリ(ウケる…)
店員「お、お客様…あの
大丈夫でしょうか……?」
それなのに騒ぎを聞きつけて
声をかけてきた店員に
クミは何事もなかったように
クミ「ああ平気です
騒いでしまってすみません
ここ拭きたいのでふきんか
なにか貸してもらえますか?」
店員「はい…!」
わいわいと持ってきたタオルで
拭いてにこやかに対応してる
クミ「ありがとうございます
もう大丈夫ですから」
サオリ(は?…もしかして
さっきから私を無視してる?)
クミは濡れた離婚届をわざと
くしゃくしゃっ握って
店員にゴミみたいに渡した
サオリ「ちょっと…
せっかく持ってきたのに
なんで捨てるの⁉」
クミ「濡れたからでしょ
誰かさんのせいで」
ふうっと息を吐くクミは
とても水をかけられた後
とは思えない
クミ「早く座って?
それとも騒いで追い出されるのがサオリの趣味なの?」
クミ「お店側に迷惑
かけたんだから
私も用件だけ伝えて
さっさと帰りたいの」
サオリ「……!!
別にいつも暇なくせに
忙しいふりするのやめたら?」
クミは私の言葉に反応もせずに
一枚の紙を差し出してきた
クミ「これよく読んで」
サオリ「なにこれ……」
クミから渡された紙には
肉体関係があった事実と
子どもを妊娠してること
そして私に対する
慰謝料の金額が書かれていた
クミ「時間がかかったのは
これ作ってたから
あ、大丈夫だよ
あとでちゃんと
公正証書作って
逃げられないようにするから」
サオリ「呆れた……
本当血も涙もないんだね
これからマサユキの子どもが
生まれてくるんだよ?
それなのにこんな負債を
背負わせようって悪魔なの?
もう1枚予備があるから
さっさと離婚届書いて?」
こんなの払いたくもない
離婚届を取り出すとクミは
とっても嬉しそうに笑った
クミ「マサユキは
もう書いてくれたけど?」
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