【前回のお話はこちら】

【本編】
1

ことの発端は3ヶ月前
このマンションに引っ越して
来た日から始まった

夫「ここが俺たちの家かぁ…
感動だなぁ……」

まだ家具が入りきってない
部屋を見渡して夫は
感極まっていた

私「今までも
そうだったじゃない」

荷解きをしながら
嬉しそうな夫をこの時は
まだ微笑ましく思っていた

夫「いやいや賃貸だったし
やっぱり自分たちの家って
いうのは嬉しいもんだよ」

私「そう?
それならよかったけど
あ、さきに水回り
片づけちゃうから」

夫「おっけーじゃあ俺は
家具の組み立てやっとく」

私の方がやることが多いが
家事も適度に分担してくれる
いい夫だとは思ってた

住むところが
変わったせいだろうか
それとももともと秘めていた
性質なのだろうが

新しい家と職場の往復に
まだまだ慣れていない1週間後
夫は帰宅するなり
とんでもないことを言い出した

私「……辞めた?会社を?」
夫「うん!実は前から
ずっと考えててさ
1ヶ月前にはもう退職届
出してる状態だったんだ

それでも引き留められてて
どうしようか迷ってたけど…
今日きっぱりやめてきた!」

私「1ヶ月前って…
引っ越す前じゃない…!」


私「な…なんで
勝手に決めるの⁉
信じらんない…!
ローンだって組んだばかりで
貯金だって家具買うのに
結構使っちゃったのに…!」

夫「別にもうローンは
通ってるんだしいいじゃん
それに家具は必要経費だって」


私「だとしてもっ…!
転職するなら一言
言ってくれたらいいじゃない

相談の1つもしてくれない
なんて……この家は
2人で住む家なんだよ⁉

やっぱりもう少し低めに
ローンを組んどけば……」

頭を抱える私に夫は反省の色を
少しも見せることはなく
むしろ夫は口を尖らせた

夫「なーに言ってんの!
そんな安い家に住んだら
男がすたるだろー?
クミは俺の顔を
立てる気もないの?
だいたい仕事は個人の自由
なんだから文句言わないでよ」

【次のお話はこちら】


ーーーーーーーーーーーーーー
\各お話のまとめはこちらから


コンテスト受賞した作品がYoMuRyでコミカライズ連載が完結しました!
【第1話はこちら】

【お話を(全16話)を完結まで読みたい方はこちらへ↓】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
更新通知のお知らせが届きます!
よかったらぜひダウンロードしてみてください!
ライブドアアプリで読者になる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー