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【本編】
1

すでに辞令を見た同僚によると
夫はなんと子会社に出向
それも地方にある小さな会社で

名目は『新規事業の開発』
だそうだけど本当は
開発地を整理するために
ただのゴミの山を
片付けていく作業らしい



震えてその場から動かない
夫に声をかける者は誰もいない

むしろ今までパ●ハラを
受けていた人たちからの
冷たい視線が突き刺さっていた

部長曰く『会社の事業に
貢献出来て少しでも自然も
綺麗な心が身につくだろ』
とのことだ

続くわけないと思っていた数日後
夫は案の定、退職届を
出して会社を辞めたそうだ

夫『俺に合う仕事を
見つけますから』
とだけ言って職場に
来なくなったそうだ

つくづくあの男と
離婚してよかったと思う

元義母たちとは接点が
一つもないので
どうなっているか知らない

だけどもうあの3人に恨みしか
抱かない私としては

家族大好きな元夫を支える形で
3人で共倒れになれば…
なんてことがあればいいと
密に思っている




1人息子を大学に行かせ
お金に困ったことのない
生活を送らせたくらいだから
多少の貯蓄はあるはず

まあ本当に『今』お金が
あるのなら、あそこまで
私に旅行代を払わせようとは
しなかっただろうけど…

私（愛する息子を支えるために
お互い食いつぶしあえばいい）

あれから私は義実家で
約束したことを公正証書に
まとめ、二度と近づかないと
約束をしてもらった

そして旅行代で夫が私の貯金
から使った分ももちろん
回収することができた

元夫が浪費家だったから
離婚時の財産分与は
微々たるもの…だけど

2人で住むときに購入した
家財道具をもらうことにした

元夫と使っていた家具は
2度と使いたくなかったので
妹がうまい具合にフリマ
アプリでさばいてもらい

家電製品は遠くに離れて
住んでる弟が欲しいというので
そのままあげることに

新しい部屋はそれなりに
気に入ってるし何より
夫と暮らしていた1年間より
ずっと快適だった

職場に離婚したことを
告げてからも私は
ちゃんと働けている

そして今、私には、
目下の野望がある


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