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【本編】
1

義母「は…⁉」

母「これに気づくのに
時間かかっちゃったんですよ」
困っちゃったわとのほほんと
母は頬に手を添える

母「さっき写真を撮って
工務店さんの仕上がり写真と
見比べさせてもらってたの」


母が次の言葉をつづけようと
したがそれは義母と
夫によってかき消される

夫「こんなの言いがかりだろ！
自分たちでつけたんじゃないか」

義母「そうよそうよ…！
そうに決まっているわ！」

母「そうねぇ…そう言われても
仕方ないわよね…」

あらあらと頭をかしげる母は
弁護士をちらりと見て

母「無理なら別にこれくらい
いいんですけどね…
やっぱり民事とか裁判になると
時間もお金もかかります？」

弁護士「ええそうですね」

母「それだと困りますよねぇ
私としてはこれくらい
払ってほしいんですけど

娘のこともありますし…
金額ってどのくらいが
妥当なんですか？」

弁護士が答える前に母が
手を合わせてぽんっと話す

母「あっそうだわ
確か前にどこかで見たんだけど
修繕費は妥当な金額だとしても

精神的苦痛は測れないから
慰謝料はいくら
請求してもいいのよね」


夫・義母・義父「は…？」

母「私ったら忘れちゃって
ごめんなさいね
そうねえ…家に来て怖かったし
あれからもまた
来るんじゃないかって
とーっても怖かったのよ

あげく頑張ってリフォームした
玄関まで壊されたんじゃ…」


うーん…と考えている母に
義母はイライラつっかかる

義母「壊されたって…！
そんなのかすり傷じゃない！
別に弁償ってほどじゃ…！」

母「あらぁ玄関ドアって
安くないんですよ？価値が
下がるに決まってますわ」

母「お義母さんは先ほどから
私たちに1回も謝ってくださり
ませんよね…悲しいこと

お金で解決するのは基本的に
は気が進みませんが…
これはお互いにとって
いい機会なのかもしれませんね

そうですね…慰謝料100万円
請求させていただきますわ」


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