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【本編】

1

そもそも新婚旅行を名目に
有給をとっていることも
何人かの同僚は知っている

お土産だって
買ってくるつもりだった

外面が良く口が上手い
夫の言い様によっては
私が全て悪いことに
なるかもしれない

私(会社…行きたくないな)

現実に戻ってきて
モヤモヤしたまま気持ちを
抱えたまま私は
いつの間にか眠っていた

翌朝、スマホの電源をつけると
夜中から早朝まで延々と
夫と義母からの大量の着信が

私「こわっ…」

かけ直すわけもなく放置して
数時間後、会社で一番仲の良い
女の同僚から
電話がかかってきた

私「もしもし、どうしたの?」

同僚「あっ、クミ⁉大丈夫⁉」

私「大丈夫ってなにが?」

こんな状況になってることは
一言も言ってないはずなのに
まるで知っているような口ぶり

私(まさか…)

同僚「昨日、夫さんから
クミに連絡取れないから
連絡とってくれって電話があって
なにがあったのか聞いたら
クミがいきなり
帰っちゃったっていうからその」


同僚「すごく心配してそうな
素振りだったけど
義両親に親孝行とか…
新婚旅行なのに引きこもって
我儘ばっかりとか…

なんていうか、すごく怖く
聞こえたんだよね

それでクミに電話しても
出ないから心配になって…」

私「…あ、ごめんね…
ちょっといろいろあって」

同僚の口ぶりから
夫はどうやら他の人にも
連絡してるようだった

職場での私の立場が最悪に
なることを吹聴しているのではないかと不安がよぎると
同僚は慰めるようにこう言った


同僚「クミは悪くないでしょ…
最悪だったね…
新婚旅行に親をついてこさせて全代金をクミたかろうと
してるって聞いたけど
そうなんでしょ?」

私「えっ?
その通りだけど…
な、何で知ってるの?」

同僚「夫さんの
同期の人いるじゃん?
さっきクミの話してたら
ちょうど教えてくれたんだけど

夜遅くに酔っ払った夫さんから
電話がきたらしいよ…

『俺の親を大事にしないから
こうなるんだ!これで言うこと
聞くようになるだろ』って」



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