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本編
おかえりパンプス19

私「…おかえりなさい」

早鐘を打ち始める心臓を抑え
いつも通りの声を絞り出す

私(バレちゃだめ、絶対に)

夫「俺の部屋に勝手に
入るなって言ってるだろ?」

帰ってきた夫にも気づかない
ほど焦っていた自分を
ひっぱたきたくなった

私「ごめんなさい
ちょっと、判子の朱肉
借りようと思って」

夫「俺のを勝手に使うな
明日買ってこいよ」

私「わかった、ごめん」

舌打ちする夫の前を通り
怪しまれないように普通を装い
書斎から私は出ていく

明日夫が帰ってくるまでに
部屋を調べてしまえばいい

夫「ユイ、お前さ…」

私「なに?」

なんともないように意識するが
今まで夫にいつも
見下されていたせいだろうか

全部見透かされてるような
感覚に陥っていってしまう

夫「昼間、なにしてたんだよ」

私「え…」

私(まさか気づかれてた…?
同じコンビニにいたこと…!)

気づいてないふりをして
私を泳がせていただけなのか

私「なにって?
お休みだから家にいたけど…」

夫「母さんが怒ってたぞ!
何回電話しても出ないし
メッセージは既読スルーだって
昨日病院に付き添ったのは
お前なんだしちゃんと
報告くらいしてやれよ」

私(あ…そういうことか)

バレてないことに
心の中で安堵する

私「ごめん、ちょっと
体調悪くて横になってて
お義祖母さんのことは
昨日病院で先生にも
お義父さんにも伝えたから
大丈夫だと思ってたの」

夫「だからって俺の親を
無視していい理由になんの?」

私「そういうわけじゃ…」

夫「報連相は仕事の基本だろ?
それでよくもっと働きたい
なんて言えるよな

お前は家のことや実家のことも
十分にできない無能のくせに

今度から連絡があったら
なにがあっても絶対出ろ
熱があってもしんどくても
絶対に無視するな!」


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