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本編

_単身赴任中の夫54


夫「ク、クミ…俺…俺さ
ちゃんと反省するから…!

今までのことも謝る
慰謝料だって払う!!

だから頼むよ!クミの方から
うまく親父に言ってくれよ」

私「なにを?」

夫「仕事のことだよ…!

俺が今まで仕事をどれだけ
頑張ってきたか知ってるだろ!?

この年から再出発するなんて
やってられない…!
クミだって恩恵を
受けてたじゃないか…!
上場企業の出世街道に乗る夫
がいて完璧だったはずだ!」

夫「一緒に生活してた時も
俺はいい旦那だった!
家事だってやってたし
イベントだって頑張った
だからクミも今まで信用して
単身赴任させてたんだろ…?」

私「その結果がこれじゃない」

今さら反省なんて言葉
聞いてあげない

私「あなたは他人より上に
いるためにどうすればいいってことしか考えてないんだね

私は仕事を頑張りながら
いつか家族で旅行行ったり
できたらって思ってたよ?

でもあなたにとっては全部
ただ『自慢できる妻』を
キープするための
努力だったんでしょ?」

私「もう付き合ってられないの
離婚届、書いてください」

夫「…!
いくらなんでも冷たすぎだろ…
仕事もクミいなくなったら
俺っ…どうすればいいんだよ」

夫は無視して私はその場で
さらさらと離婚届に
自分の名前を書いていく

夫「おいっ…‼聞けよ!
俺はまだお前の夫なんだぞ!?」

私の手を止めようと乱暴に
手を伸ばしてくる夫よりも
素早く夫の腹部に
私は拳を叩き込んだ

義姉がナイスパンチ!と
いう嬉しそうな声が聞こえた

夫「…ゴホッ…はっ…?」

夫はお腹を押さえてなにが
なんだかわからない様子だ
それもそのはず、夫は知らない
義姉と仲良くなったきっかけは偶然出会った女性専用ジムの
キックボクシングだとうことを

産後、在宅で記者をする義姉が
体験コースの取材中に
私がたまたま参加していて
お互いにはまってしまい
定期的に通うようになった

パンチよりももちろん
キックの方が私は得意だし
威力もそれなりだと自負してる

すっと立ち上がり
床に這いつくばる夫に構える

私「往生際が悪いわよ
それ以上意味のないこと
話すならもう一発
食らわせるけど、いい?」

続く

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