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本編
単身赴任中の夫⑥

夫の慌てた声と同時に
いきなり電話が切れる

私「えっ…なに…?」

隣の部屋の人がうるさくて
覗いてきたのかな…と思った瞬間
私ははっと思いだした

私(隣の人…
引っ越したって言ってたよね?)


それなら開いたベランダの窓は
夫の家なんじゃないか?

サーっと予感が現実へと
変わっていく気しかしなかった

すぐに夫から電話がかかってくる

夫「ごめんごめん!
ちょっとうるさかったみたいで
隣の人から怒られちゃって…!」


私「隣の人って
引っ越したんじゃないの?」

夫「あー右の人はね!
でも左の家の人はまだ残っててさ
俺もすっかり忘れてて
今謝ってたところなんだ」

特に声色を変えずに話す夫に
確証もない私はうなずくしかない

私「…そう、なんだ」

夫「それで来週
お祝いしてくれるんだっけ?
マジでうれしいな~!
それなら前行きたいなってクミが
話してたレストランでもいい?」

私「あ…うん!もちろん」

私(全部気のせいだよね…きっとそう)

夫を信じよう
些細なことで不安になるのは
私に自信がないからかもしれない


そして1週間後、夫の帰宅日
久しぶりに会うからと
レストランで待ち合わせすることに

おしゃれに着飾った私は
うきうきとレストランに向かって
るんるんと街中を歩いていた

いきなり声をかけられたのは
結婚式に来てくれた夫の同僚だった

夫の同僚「あれ?
〇〇の奥さんじゃないですか」

私「あ、夫の…!お久しぶりです
いつもお世話になってます」

私は軽く会釈をする

私(夫の会社の近くだもんね…)

同僚の彼は何回か家に遊びに
来てくれたこともある
すでに3人の父親なんだとか

夫の同僚「久しぶりですね~
お元気でしたか?」

私「はい。おかげさまで」

夫の同僚「元気そうで何よりです
実は俺、奥さんに一度お礼を
言わないといけないなーって思ってて」

私「なんのですか?」

夫の同僚「やだなぁ
あいつ言ってないんですか?
去年、俺の代わりに
単身赴任してくれたじゃないですか
3人目が生まれる前だったから
すごく助かって」


私(え…?もともとの転勤理由は
評価されたからじゃないの…?)

夫の同僚「あいつも新婚なのに…って
申し訳なかったんですけど

今年も残りたいって上司に懇願するほど
今の仕事に集中してるって聞いて!

今年は奥さんも赴任先に
ついていくんですか?」

続く

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