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本編

単身赴任中の夫⑤

私「今の…」

義姉「あーごめんねっ
子どもちゃんにあげるミルク
もうすぐなくなるかもって
あとで薬局よらないとな~」

『ミルク』この前の夫と
まったく同じ言い方だった

私(考えすぎ…?いやでも)

義姉と夫ならではのイントネーションが
そっくりだったから

義姉「どうしたの?」

心配そうな顔で義姉が
不安な顔に戻った私をのぞき込む

私「い、いや…夫も最近ミルクを
買っておくみたいな話をしてたんで
なんだかかぶっちゃって」

義姉「えっそうなの?
もしかして…おめでたとか?」

少し気を遣うような
でも祝いたいような雰囲気を我慢してる


思わず、私はふっと笑顔になった
裏表のない義姉だからなんでも話せる

私「全然…だから
過剰反応しちゃうのかも」

義姉「そっか…ごめんね
私がなにかいうことでもないだろうし…」

私「こうやって話聞いてくれるだけで
十分ですよ。育児も仕事も忙しいのに」

義姉「いやー私が余計なこと
言ったからかなって思うことあって…

実際にでも仕事って本当
見つからないからさ

夫が入れ替わりで
育休取ってくれたから
私も何とかなってるもんだもん」

義姉は出産半年後に在宅で仕事をはじめ
旦那さんは今育休をとってくれてるらしい
交代で外出したり家事したりする
うまく息抜きするいい夫婦だ

私(私もお義姉さんみたいな
支えあう家庭を作りたい…)

そんな思いを抱えながら
義姉と別れ、家に帰る

昼休みのこともあり
私は夫に電話をかける

何コール目かに夫がバタバタする
足音とともに電話に出た

私「もしもし…お疲れ様
今、大丈夫?」

夫「おつかれクミ
平気だけど、ちょっと待って」

ガラガラ…ピシャンという
窓が閉まる音
夫はどうやらベランダにいるらしい

私「なんで外に出たの?
一応そこ社宅扱いなんでしょ?
近所迷惑にならない?」

それとも部屋にいる『誰か』の
迷惑にはなるってこと?

夫「あ~大丈夫!
隣のやつ、最近引っ越したんだ
ちょうど入れ替えの時期だからさ」

私「入れ替えの時期なのに
あなたは残るって
すごく評価されてるのね」

心なしか少しだけ言葉がとがってしまう

夫「そうだと嬉しいけど…
どうしたの?なんか怒ってる?」

私「別に…なんでもないよ」

夫は単身赴任が延期することで
私がショックをうけているとは
思いもしないらしい…

私(ダメダメ、切り替えないと)

私「来週帰ってくるんだよね?
昇進ってことだから
お祝いしたいんだけど
何時くらいにこっちつきそう?」

その時、閉まっているはずのベランダの
窓がガラガラっと開けられる音が聞こえた

夫「わっ…!待って…!」


続く


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