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本編
29

義両親に叱られてから
夫は育児をしている『つもり』

私の言うあれこれを会社の人に

まるで自分が言っているように

話しているらしい

わざとらしい『イクメンパパ』の

写真だけはたっぷりある

私(子どもとの写真なのに

夫が中心で映ってるんだよね)

今度会社のHPや求人情報向けに

福利厚生と公私共に充実している社員の

PRとしてインタビューを受けることに

夫「まあ俺も育児頑張ってるし??

見てくれてる人は見てくれてるんだよw」

私「ふーん、そう

その日は子ども連れていくの?

でもインタビューするなら

私が連れてってあげようか?」

夫「えっ⁉いいの?

マジで助かるわ~

やっぱ会社に子育てママさんいたとしてもさ

自分の奥さんが仕事も育児も夫を

サポートして協力してます!って感じが

出ると良いパパっぽいからな!

あー子どもの写真撮ったら

先に帰ってていいからw

仕事の邪魔だし」

私(どの辺に良いパパ感が

出るのか教えてほしいわ)

私は偽物の笑顔で流して

夫を破滅に導くための準備を進める

生活に関してはもう夫がいないものだと思って過ごした

私がなにも言わなくなったからか夫は案の定育児も家事もせず自由に外出して朝帰りするゲーム三昧の日々に戻っていく

そしてインタビュー当日

夫はわざわざ子どもとリンクコーデを

指定して先に家を出て行った

私(同じタイミングですら

行かないのに何がイクメン)

夫のスマホにGPSアプリはまだ入れたまま

確認すると場所は会社じゃない

私「やっぱりね」

私はあらかじめお願いしておいた

興信所の人に連絡をする

私「はい、今そこにいます

よろしくお願いします

データはすぐに送ってください」

遅れられてきたデータを持って

私は子どもと夫の会社へ

数時間後、会社につくと

女性社員たちが温かく迎えてくれる

私は軽く会釈をして

夫がインタビューを受けている

という会議室に案内された

夫「おっ!来た来た~!

遅かったじゃん!

子ども泣いてたのか~?」

子どもを触ろうとする夫の手を

ばしっと払うとその場が静まり返った

夫「えっ?なんだよいきなり

私を案内してくれた女性社員も

とても驚いていて会議室のドアは

まだあけっぱなしだった

私の態度を予想すらしていなかった

夫の笑顔はひきつっている

私「さっきまで浮気してたくせに

汚い手で触らないでくれる?」


続く


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