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本編

19

私「妻の過ちを許してあげる…

優しい夫のつもりなの?

悪いけど、それも間違ってるから」

夫にわざと優しく微笑んだ私は

そのまま夫の横をすり抜け

家のインタホーンをならしてあげた

夫「お、おい!やめろよ!

ただの夫婦げんかに巻き込むの迷惑だろ―がっ!

それに弟は今家に居ねーしっ…」

私「大丈夫。ちゃんといるよ」

弟『あ、サヤカさんですか?

いらっしゃい。どうぞ入ってください』

私「はーい」

インターホンから話す弟さんの声に

夫は死ぬほど驚いていた

私「ほら、いるって言ったでしょ?」

私「弟さんにお邪魔しますって

昨日言っておいたんだよね~

あれ?

そういえば…なんであなたは弟さん

いないって決めつけてたの?

さっき浮気してないって言ったけど

それなら、弟さんのいないこの家に

一体なにをしにきてるの?」

夫「い、いや…それはそのっ…!

ただ今日はいないんじゃないか

って思っただけでさ…!」

私「今日土日だよ?

仕事が休みの人も多いのに

なんでそう思うの?」

言い訳を思いつく様子のない夫に

私はしびれを切らして

この前来た時と同じ玄関をあけた

私「話は中で聞くね?」

私「お邪魔しまーす」

ビクつく夫を引きずるようにして

玄関で靴を脱ぐと。奥の部屋から

弟さんと義妹さんらしい

荒ぶる女性の声も聞こえる

弟「リビングにいるんで

上がってきてもらえますか?」

私「はい」

迷うことなくリビングに進む私に

夫は動揺を隠しきれていない

夫「なんで部屋知ってんだよ…!

それに弟といつ仲良くなってんだよ…!

俺連絡先なんて教えてないだろ⁉」

そう長くない廊下なのに

夫の質問の多さにうんざりした

私「お義母さんに教えてもらっただけ」


一言だけ答えると

より一層夫の顔は青くなった

私「お邪魔してます。こんにちわ、弟さん」

弟「こんにちわ。わざわざ来てもらって

ありがとうございます」

和やかに話しかけてくる弟さんと反対に

義妹はあきらかに弟さんに向けて

怒りをあらわにしている

義妹「誰…⁉こんなときに…!」

本人に会うのはこれが初めてだった

騒いでいた義妹は私を見て怪訝な顔をし

私の次に入ってきた

夫を見て声を失ったようだった

私(きっと私の存在が

まだ誰だかわかっていないのね)

だから、教えてあげることにした

私「はじめまして義妹さん

私、夫の妻のサヤカです

しばらくの間

夫が大変お世話になりました」

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