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本編

10

マイコ「あいつをつまみだして!今すぐ!早く…!」


あっけにとられていた司会者が、はっとしたように私に近づき


司会者「申し訳ございませんがこちらに…!」


とすぐに移動するように促してくる

式場はマイコの悲惨な顔と元彼新郎のげっそりした顔を、私の話をそのまま受け取ったようだ


私「もちろんですわ。すぐに帰ります。ただ…」


私は持っていたハンドバックから、詰め込んだ手紙を取り出しマイコの前に持っていった


私「はい、これ請求書。婚約詐欺として訴えるつもりらしいよ。頑張って払ってね」


マイコ「なんでこんなことするのよ…!ひどい…私が嫌いだからって…!」


眼に涙をたっぷり溜めて可愛らしい悲鳴をあげるマイコに、新郎側の席がざわつく


客「おいあれ大丈夫かよ…」


客「ただの妬みとかか?式をつぶすなんて…新郎が好きだから逆らうみしてるとかじゃねーの?」


私は振り返って彼らのテーブルの前に


私「誤解されても仕方ないと思います。証拠と言うほどのモノでもないですが」


付き合っている時に彼と撮った、ラブラブな写真を彼らに見せる


私「マイコさんの元彼とダブルデートした時の写真もありますよ」


マイコはいつのまにか私の傍まで来て写真をひったくった


マイコ「嘘でしょ!やめてよ…!もう帰って…!結婚式が台無しよ!一生に一度なのに」


すでに涙は引っ込んでいて、花嫁姿に似合わない怒りにあふれていた

その時マイコの後輩の女性が細く小さな声で泣き出した


女性「マイコさん…ひどいっ…。私以外にもそんなことしてたなんて!恋はわかりませんが、仕事を奪われた人の気持ち私にはわかります!私だけならいいって思ってたけど、親友にはそこまで酷なことしてたんですね…!」


部長「どういうことだ?」


目の前のトラブルに混乱するマイコの部長が、後輩にハンカチを渡した


女性「言えませんっ…ここでは…」


ぐすっと泣きながら健気な笑顔


これで十分だった


私(彼女に被害がいったら大変だしね)


式場は大混乱、元彼の両親は元彼に問い詰めている


彼父「どういうことだ…なんでこんなことになってるんだ⁉」


彼「父さん…ちょっと後にして…!」


私「ご無沙汰しております」


彼父「ミサトさん…」


私「お騒がせして申し訳ございません。式を台無しにした責任はとるつもりです

ご理解できないと思いますが…彼や彼女が私にしたことをただ流されたくなかったんです」


私「では、これで…」


私は最後に式場に向かって、深く頭を下げて出て行った


正式な元婚約者でもない私が結婚式をぶち壊したのだ


お金を請求されるかもしれない


だけど私の幸せを壊しておきながら、マイコと彼だけが幸せになることが許せなかった


私(ああ…マイコ…これで終わるとは思わないでよね)


続く

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