本編
1


私はミサト

私には高校からずっと仲の良い友達、マイコがいる


大学は違えど同じ系統の学部に進み、2年前にそれぞれ別の広告代理店に就職

進む道は同じだったのでお互いに切磋琢磨してどっちがはやく偉くなるか?結婚できるか?そんなことをよく笑って話していた


マイコは明るくてかわいくて美人。話していて誰からも好かれる子でそんなマイコの親友だと思うと

自分でもとても嬉しかった


ただいつも私の好きな人は、マイコを好きになってしまう

いや気づけばマイコの彼氏になっていることが多かった

マイコ「○○君?あー別れちゃった!すごい金遣い荒くてさぁミサトが付き合わなくてよかったよ!」


マイコ「ミサトはぼーっとしてるんだから私がちゃんといい男見定めてあげる!もし好きな人が出来たら教えて!」

ミサト「う、うん」

実際には好きな人が出来るまでに「あの人いいよね」と話した次の日には、マイコの方が積極的に会話してる

そんなことばかり続いていた

ミサト(すぐに行動できない私が悪いよね…マイコを見習わないと)


仕事でお互い忙しくなり2,3ヶ月程会えない時期に彼と私は出会った


彼「よかったら俺と付き合ってほしい」


クライアントの大手食品会社に勤めている彼からは何度か食事の誘いがあったものの、どうせ社交辞令と思って断っていた矢先の告白だった


私「わ、私で…いいんですか?」


そう思わず聞いてしまうくらい、彼はイケメンで優しい人だった

彼との交際は楽しくて御両親にも早く紹介された


大事に思ってくれるのが嬉しくて舞い上がっていたのもあると思う


久しぶりに会ったマイコに彼氏が出来た!と伝えたのは普通だろう


だけど、マイコは喜んでくれるのではなく怪訝そうな顔をして私を覗き込んだ


マイコ「その人大丈夫なの⁉私の大事なミサトを騙してないか心配だわ…ねっちょっと会わせてくれない⁉」


ただ単純に私を心配してくれる彼女の優しさと受け取った私は、当時付き合っていたマイコの彼氏と

私と彼でWデートをすることに

帰り際、マイコは私にこう言った


マイコ「彼なら大丈夫そう!今度こそしあわせになれるといいね!」


私(今度こそ?)


疑問に思ったものの1日が楽しかったし彼も喜んでくれていたので深くは考えなかった


そして付き合って半年後

彼に呼び出されて喫茶店に行くと、なぜかそこにマイコが笑顔で座っていた


マイコ「ミサト久しぶり!」


どきんと嫌な予感がした。彼は最近いつも忙しそうだったから…


その理由は…きっと


彼「別れて欲しい…彼女との子どもができたんだ」


続く

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