前回のお話はこちら
第1話はこちら
本編

マイコと長い付き合いだが
結婚式に参列した人の内
知り合いは数人だった
マイコの職場の人達の座っている
テーブルには後輩の女性と部長らしき
人物が一緒に座っていた
私(よかった来てくれたんだ)
手を振る彼女に会釈し
私はその時を待った
司会者「次は新婦様のご友人からの
お祝いのお言葉になります」
私を見て彼の両親は
なんであの子がここに…?と
いわんばかりのびっくりした顔をしていた
前に出て友人2人が当たり障りのない
メッセージを話しマイコはご満悦だ
マイコに耳打ちされたのか
司会者がなぜかすぐにマイクを
取りに来ようとしている
友人「最後に…一番の親友だった
ミサトからマイコに向けて
メッセージをもらおうと思います!」
マイコ「!」
ミサト「ありがとうございます
高校時代からの親友、ミサトと申します
マイコさんは昔から明るく
優しく可愛らしく…みんなから
好かれるような存在でした
私はそんなマイコをずっと
近くで見てきたので
今日、この結婚にはとても
言い表せない気持ちを抱いています」
私「なぜなら彼女が結婚するほど
新郎と仲を深めていたことを
私は知らなかったのです
大親友なのにですよ?
ちょっと寂しくはありませんか?」
茶目っ気のある言い方に場が和む
だが同時に新郎新婦は冷や汗をかいていた
ライトに照らされていてよくわかる
私「彼女が新郎と出会った場に
私もいたので、まさかこんな風に
2人を祝うとは思ってませんでした」
私「当時彼女には彼氏がいたんですが
私が彼女に出会わせてしまったことで
なんと新郎は新婦を略奪するほど
好きになってしまったんです!
運命には逆らえない…
いうことでしょうか?
とても情熱的な男性に出会えて
彼女はきっと幸せに違いません」
新郎側の客席からひゅーひゅーっと
軽いヤジが飛ぶ
私「ちなみに付き合っていた
彼女の元カレからは多額の請求書を
本日預かってきております
マイコさんと結婚の口約束をしたものの
実現できなかったからと
とても悔しそうにしておりました
結婚する今日の日に今まで
『将来は一緒に住むもんね』と言って
さんざん買わされた家電や家具
大きなダイヤの指輪を現金にして
すべて返してほしいとのことです」
さっきまでの談笑が一瞬で止まり
凍り付いたような空気になる
マイコ「ちょっと…何言ってるの⁉
やめてよ!やめさせて!」
私「でも、一番驚いているのはこの私です
なぜなら新郎である彼は
たった少し前まで私の彼氏でした
紹介したことをきっかけに彼を
奪われるなんてドラマのような話です
マイコさんは彼だけでなく
私がずっと温めていた仕事の企画すらも
私から盗〇し、手柄を横取りしました」
私「それはもう計画的に…
私は騙されていること、盗まれていること
そんなことにも気づかない愚かな女でした
彼女の手癖の悪さと狡猾さに
悩まされている女性は
私以外にもいるでしょう
だけどこの結婚で彼女が愛を受け心を
入れ替えることを私は期待しています
長くなりましたが
略奪婚おめでとうございます
仕事も男も奪って幸せですか?」
続く
次の話はこちら/
他のお話はこちらから↓
里帰り出産中に浮気夫が誤爆メール
悪阻で苦しむ私を置いて帰省する夫
夫の浮気相手の家にドライブしてみた件
パートの私を見下す夫が浮気した話
新築の家に毎日くる義母
取るだけ育休夫の秘密
子どもを天才キッズ配信者にしたい夫
結婚式当日にドタキャンする新郎
