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本編

6

私はマイコの勤める会社で働く女性と会場内にあるベンチに腰掛けた


私「すみません、いきなり…」


女性「いえ…話し出したのは私ですし。誰かに話を聞いてもらいたかったのかもしれません。実は、マイコさんなんですが…」


彼女にはどこか私と同じ感情を抱えているような気がした


私「盗作…ですか?」


女性「ええ、そうです」


どうやらマイコは自分の会社の新人や中途社員のデザインや企画を盗み、自分の企画として発表し仕事をしているそうだ

女性「ちょっと修正するから他の企画をやりなさい!こんなもの使えるわけがない!って言われて発表できないうちにマイコさんが自分の企画みたいに提案しちゃうんです…」


私「それならすぐに言えば…!」


女性は諦めたように首を振る


女性「ムリなんです。なんどかやり取りはしてるんですけど、確かにマイコさんが修正した部分もある…。部長もマイコさんには弱くて…後輩の私たちにはなにをいっても聞いてくれないんですよ」


私「そんな…」


女性「だからみんなマイコさんには、企画の相談しないようにってしてたんですけど…部長に逆パ〇ハラだって怒られて。しかもその間に新しい企画コンペを出して賞を取ったのでぜんぶ私達の言い訳とか妬みって言われちゃったんです」


私(企画コンペってもしかして…私の…⁉)


だからわざとらしく聞いてきたのか


水を濡らしてデータを盗んだのは


全部計画的な行動だったのか


今まで信じてきた。いや、信じようとしてきたマイコの一面がぱりぱりっとはがれていく


私「…ごめんなさいそれ、私の作品を〇まれたから…。あなた達の邪魔をしてしまったみたい…」


女性「え…じゃあ、あの企画もやっぱり実力じゃなかったってことですか…?」


申し訳ない気持ちいっぱいで頷く


私「そう、ですね…私が管理してないうちに、その…」


女性「最〇…!友達のモノまでとるなんて信じられません…!」


『どうして友達やってるんですか?』と言われているような気がした


私(信じられない…自分もマイコも…楽しい時は全部嘘だったのかな)


女性は私を完璧に味方と判断したようで、気遣う笑顔で励ましてくれる


女性「大丈夫ですよ…私たちも最初はマイコさんのこと信じてました。でも、どんどんなんだか怖くなって本当に優しいのかなって。お話させてもらってちょっと気が楽になりました。転職も考えてたんですけど、マイコさんもうすぐ結婚して寿退社するって嬉しそうですし…」


女性「だからそれまで我慢します。最近イン〇タに上がってるんですよ!ほら彼氏さんとデートしてるみたいで!」


女性が見せたマイコのインスタは、私が知らないアカウントだった


見た瞬間、さっきまでとは比べ物にならないくらいの衝撃を受ける


私(この車…彼の…?)


続く

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