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本編
時は1ヶ月前にさかのぼる
私と彼がまだ付き合っていて
マイコと親友だったころ
広告代理店に勤める私は
ある会社のコンペに
応募しようとしていた
私(キャッチコピーはこっちがいいかな
フレーズはこっちかな…!
ああどうしよう…!)
マイコ「ミサト~!コンペできた⁉」
私「結構いいところまで煮詰まってるん
だけど…あと少しって感じかなあ」
マイコ「そっか~私もだよ
良かったら一緒に呑まない?
リフレッシュがてらさ」
二つ返事でOKした私は
マンション近くの居酒屋で飲むことにした
マイコ「最近ね~彼が
すっごく大事にしてくれるの
もしかして運命の人かもしれない♡」
今思えばこの時点から
『彼』は私の彼に
すり替わっていたのかもしれない
それでもマイコの華やかな惚気話は
自分にはない世界を見ているみたいで
呑気に酒の肴に飲んでいた
終電も無くなり私の部屋で
思いついたコピーをPCに書き足していると
泊ったマイコに新作コンペの話を聞かれた
マイコ「私はね~○○っていう
雰囲気で進めてるんだけど
ミサトはどんな感じ?」
私「すごいね!あ、でも一応
コンペ出してから見せあいっこしない?」
マイコ「ん、わかった~」
どちらかのアイデアがかぶらないように
影響を受けたりしないよう
にするのはよくある話だった
何も考えずに寝た翌日のこと
私はマイコの悲鳴と共に飛び上がった
マイコ「きゃあっ大変!」
私「どうしたの⁉」
マイコ「ごめん…私水こぼしちゃって!」
見ると机の上にあった私のUSBメモリ
や手帳カバンがびしょびしょになっている
私「えっ嘘でしょ!」
企画書のデータが全部入っている上に
アイデアを書いた大事な手帳も全滅だった
マイコ「ごめんねごめんね!
ほんとにわざとじゃなくて…!」
私「だ、大丈夫!
データはこういう時の為に
PCのクラウド上に保存してるから!」
急いでノートPCを立ち上げると
PCのデータも無くなっていた
私(え、なんで)
マイコ「大丈夫だった?
そういえば昨日夜寝ながらPCしてたけど
その時に消しちゃったとか?」
私(そ、そんなことするかな…)
お酒の弱い自分に私は自信がなかった
だからわざわざ私の家の近くで
飲んでもらったんだし
間違えてクリックしたまま寝たのかな…
そう思うと自分のどんくささが
どうしようもなく情けなくなった
マイコ「わ、私がこぼさなかったら…!
ごめんねミサト」
ポロッと涙があふれそうなマイコをみて
自分を説得するように励ました
私「気にしないで…私が悪いんだし」
企画コンペには結局間に合わず
新しい仕事にまた取り掛かり始め2週間後
結果が出たので見てみると
そこには私が考えたコピーとほぼ
そっくりな企画が映っていた
なんと賞に食い込んでいる
私(これ…私の⁉
こんなことってあるの…⁉
誰にも見せてないのにどうして⁉)
受賞者の名前には
私の知っている人物が書かれていた
私「マイコだ…」
続く
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