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本編

14

動揺する夫を横目に
私は玄関先で待たせていた人物を
部屋の中に招き入れる

浮気女①「おはようございます…」

夫「ヒ、ヒトミちゃん…!」

恐々としている彼女は
夫を憐れむかのような眼差しを向けた

浮気女①「ここがコウタさんの
家なんですね…
はは…やっと来れたと思ったら
こんな…」

夫「これは…違うんだって
ただ言ってなかっただけで!」

浮気女①「やめてください!
悪いと少しも思わないんですか…!」

興信所で調べた結果
彼女は夫の取引先で働く女性らしい
まだ社会人2年目と若く
私が彼女に連絡するまで
ずっと夫を独身男性だと思ってたそうだ

私「言ってなかったら
結婚してても婚約していいの?
相変わらずスゴイね。アナタの理屈」

2人目の浮気相手である彼女に
一言言ってやろうと思ったら
彼女はひどくショックを受けていた

関係は1年ほど前から始まり
なんと転勤する前には
彼女の両親にまで夫は挨拶していたらしい
お父さんは会社の重役でお嬢様育ち
まだまだ若く世間知らずな彼女は
夫に上手く騙されたのだ

浮気女①「転勤で忙しくて…
それで会えなくなったとも思ってました

そもそも奥さんとお子さんまで
いたなんて…!」

彼女には夫に他の浮気相手が
いることを話してある

夫と話をしたい、そして夫と一緒に
私に謝罪したいというので
今日この場につれてきた

私(あの人には謝る気なんてない
だろうけどね…)

夫「いや、ヒトミちゃんはまだ若いから!
だから俺は婚約だけしてたんだって

結婚の約束!約束だから
すぐに結婚するつもりはないってことだよ」

浮気女①「ふざけないでっ…!
不倫相手にされてるなんて
思ってもみなかった…!

会えない時間があっても
ずっとあなたを信じてたのに

他の女とも浮気してるって…
いい加減にしてよ!」

私(…いいなぁ。こんな風に泣けて)

愛する人に裏切られたという彼女を見て
自分はさらにひどい立場なのに
彼女のような気持ちはもうなかった

綺麗に泣ける彼女を羨ましくさえ感じる

私や娘には優しくしない分
他の女にはいい顔見せて、
好き勝手していたたという
気持ちはもはや憎しみに近い

夫「あー…めんどくさい
なんでこいつ連れてきたんだよ
せっかくキープしてたのに
意味ねえじゃんか…」

ため息のように夫から本心がこぼれた

私「私にも彼女にも謝ろうとか思わない?
謝っても許される事じゃないけど…」

夫「えっないない…
だって謝っても許さないんだろ」

さっきまでのすがってきた態度とは一変し
夫はふてぶてしい態度になる

夫「どんだけ取り繕っても、無駄じゃん
女ってなんで白黒つけたがんの?
ヒトミちゃんさぁ
言いたいことはそれだけ?
じゃあもう帰ってくんない?
あとは俺ら夫婦の話し合いだから」

この自分は悪くても
決して悪びれない態度が
いつも嫌いだった

夫「俺ら、別に結納とか
してるわけじゃないから
婚約指輪もただの安物だし勘違いすんな」

浮気女①「…そう、そうですか。
もういいです

私とはただの遊びだったんですよね

じゃあ私も遊ばれたこと
父とあなたの会社に訴えます…
覚悟しておいてくださいね」

その瞬間、彼女の眼には
さっきまでなかった私と同じ
憎しみが光ったように見えた


続く

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